来年1月4日にTBS系で放映されるドラマ「わが家」の小説版(井沢満著)を読んだ。
話し相手が欲しいお年寄りに、「孫」をレンタルする。失恋した場面を再現し、鬱憤を晴らすために、「恋人」をレンタルする。そんな家族レンタル業に身を置く主人公の、リアル家族の物語である。
脚本を小説化したので、会話がメインになっている。そんな中、気に入ったフレーズを2つ。
主人公の父親70歳のセリフ。「自分が年取ってみろ。17、18の頃と、基本なーんも変わんねーから。鏡見て、おっとと思うけどな」
見かけはおじさんだけど、中身は若い頃と基本変わっていない。確かに、経験によって見方や考え方は微妙に変わったのだが、性格は変わっていない気がする。
主人公をかつて恋人としてレンタルした女性のセリフ。「意地を張るのも男だけど、頭の下げどころを知っているほうが、もっと男だよ」
確かに、意地の張り合いで、途切れてしまった関係もあった。「すまなかった」と言える勇気は、大切かもしれない。