就職氷河期世代を対象にした栃木県庁の採用試験の最終合格発表があり、先ほど、Aさんが合格のあいさつに来られた。
就職氷河期世代の方は、その名の通り、大学卒業時の就活に苦労した人が多い。
アルバイトや契約社員として働き、待遇面でも、恵まれなかった人が多い。
自分い合う職業に就けず、次こそは、次こそは、と、転職を繰り返す人が多い。
そんな就職氷河期世代を「救済」する公務員試験も、50倍を超えることもある難関で、複数回の不合格を乗り越えて合格する人が多い。
しかし、就職氷河期世代を対象にした公務員試験は、就職に苦労したかわいそうな人を採用する試験では決してない。
ラクな仕事をしてきたことは、有利にはならない。
就職に恵まれなかったことも、有利にはならない。
多少なりとも不満を抱きながら続けてきた仕事から、何を得たのか、どのように活かせるのか、さまざまな角度から検討し、バランスを考え、戦略を練らなければならない。
仕事に材料が少ないなら、資格とか、社会活動とか、他の材料も探さなければならない。
20数年間のいろいろな苦労を乗り越えて、Aさんは、やっと、心の底からやりたいと思える仕事に就く権利を自らの手で勝ち取った。
Aさんの晴れ晴れとした表情がまぶしく感じた。