親であれば、子どもには幸せになってもらいたい、余計な苦労はして欲しくない、と願うものである。
私も子どもが2人いる身ゆえ、それはよくわかる。
しかし、余計な苦労をして欲しくない、には「罠」がある。
就職の面接の際の売り込みの「手札」は、多く、強い方がよいのは自明の理である。
コミュニケーション力がある、問題解決力がある、幅広い視野がある、とアピールしても、それには、具体的な証明が必要だ。その証明に役立つのが、「手札」である。
具体的には、自転車で日本一周などの特異な体験、サークル活動、ボランティア活動、アルバイト、資格取得、留学、習い事、などである。
それらの手札から、就職先に合わせて、自己PR、長所、活かせる能力、熱中したこと、苦労したこと、失敗したことなどの質問に、答え、売り込む。
最近、勉強ばかりしている大学生が多い。アルバイトも、サークル活動もしないで、部屋にこもってゲームに興じている。ゲームが悪いとは言わないが、アピール材料にはなりにくい(ゲームソフト会社は別にして)。
その背景には、学生時代にも余計な苦労をして欲しくないと考える親が多くなっている可能性が高い。
学生時代は、苦労すべきなのだ。
やめた方がいいと思うのは次のことだ。
まず、栃木県から都内の大学に進学した場合、自宅から通わせないで、アパートや寮ななどに住まわせる。自由な時間こそ、大切だ。
次に、生活費は100%仕送りせず、80%くらいにとどめ、残りはアルバイトしてもらう。
アルバイトは、いろいろな年代と接する飲食店がお勧めである。子ども相手の学習塾はお勧めしない。
コロナ禍で難しい面もあるが、かわいい子には旅をさせよ、は真実である。