若い頃は、勉強や仕事など、特別な優先すべき何かがあって、その実現のためには、他のことは犠牲にするのは当然というふうに振る舞っていたと思う。
何かを究めるひとは、実際そうなのかもしれないが、私のような凡人の場合、それはやりたくないことを先送りしたり、スルーするための単なる言い訳にすぎず、他法でその特別な何かも不十分にしかやれなかったことが多かったように思う。
最近は、特別な何かの影響が小さくなったのか、他のことも普通にやるようになった。
その一つは、家事だ。仕事も大事だが、家事も大切で、適当にやっても、普通にやっても、さほど時間は変わらないと思うようになった。
午後から予約がなかったので、井頭公園を軽く歩いた後、スーパーで金目鯛を買って炊くことにした。
レシピはネットで拾い、できるだけ真似をして、まあまあのものができた。妻は「これまで作ったものの中で一番おいしかった」と言ったが、内心は、いやいや他にまだあっただろう、と言い返したかった。
食べるのに十分なくらいの、顧客も自分も納得できる仕事をして、それ以外の時間も、普通にやる。家事も楽しめればいいのだろうが、そこまではまだ到達しない。
仕事は好きなので、特に余暇も遊びもいらない。
枯れてきたのかな?