非常勤講師をしている専門学校の先生から、Aさんが最終合格したと連絡があった。Aさんを知る二人にとってちょっとした奇跡を電話口で喜び合った。
Aさんは、公務員試験の教科のかなりの部分が苦手で、50問の模擬テストで、10問程度しか得点できない日々が続いていた。質問はよくしていたが、合格はムリと危機感を口にしていた。
Aさんに追い風が吹いたのは、第一志望の役所の教養試験が、従来より易しい「ライト」に変わったことだった。
彼女は、できそうもない科目は完全に捨て、その代わりにできそうな科目に集中的に取り組んだ。
「ライト」に変更された初年だったので、ライバルたちの中には、情報不足でうまく対応できなかった者もいたのであろう。
受かるか受からないか、大きく人生が変わる。選択と集中、それに運も味方につけて、見事な合格であった。授業をやりながら、お互いに遠慮なしにずけずけ言い合ってきたので、次に会ったら褒めてあげようと思う。