兵庫県宝塚市で、36歳から45歳限定の職員採用試験を実施したところ、3人の枠に1635人が応募したとテレビが報じていた。
いわゆる就職氷河期時代の方の正規雇用化を推進するという目的で実施されたらしい。500倍を超える倍率はすさまじい。
この点、宇都宮市は10年ほど前から40歳まで受験年齢を拡大している。先見の明があったと言える。
宝塚市の今回の採用で気になるのは、民間企業で正社員として働いている優秀なAさんとフリーターを長く続けている凡人のBさんが最後の一枠を争う場合、優秀だからという理由でAさんを採用するのか、今回は非正規雇用の方を正規雇用にするのが目的だということでBさんを採用するのか、である。
就職氷河期時代の方にかかわらず、現在、非正規雇用の立場で働いている方は37%を占める。
その中には、軽く働きたいという方も含まれているだろうが、本当は正規雇用を希望しているにもかかわらず、やむなく非正規雇用に甘んじている方も多数いる。UPAにも相談に来られる。
問題は、就職氷河期か否かではなく、再チャレンジしにくい日本の雇用慣行である。そして、正規雇用と同じような労働をさせておいて、賃金を低く抑える日本企業の在り方であろう。
日本企業の内部留保は、法人税の軽減もあって、450兆円だという。