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塾長きまぐれ日記

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塾長きまぐれ日記

塾講師のアルバイト

 塾講師募集のネット広告を見ていて、アルバイト料の低さに驚いた。
 私が学生だった1980年代、正確には覚えていないが、だいたい時給3,000円が相場だったように思う。
 それが今では、1,500円に満たない数字が多く並んでいる。
 1時間教えるのに1時間の準備が必要だとすると、実質時給は700円程度に下がる。栃木県の最低賃金826円にすら及ばない。
 低賃金の理由は、個別指導の塾が増えて生産性が低くなったことも理由の一つだろうが、最大の原因は少子化の影響で需要が大幅に減り、一方で塾の数は飽和状態で、供給過多になっているからだろうと思う。

 待遇が割に合わないうえに、就活でもパッとしない印象がある。
 就活生のアピールのエピソードは、サークルかアルバイトが定番だが、塾講師は対児童生徒という対等ではない関係がメインなので、アピール材料として使いづらい。
 教員を目指すならまだしも――。いや、教員になる人は一生教員をやるのだから、学生時代だけは別のアルバイトをした方がよいとも言える。
 そういえば、教育学部に進んだ息子も娘も飲食関係のアルバイトをしていた。

 塾講師の対応で、ある児童生徒の人生がよい方向に向くということもあるだろう。
 私もその一人として、受講してくれた人が志望する職業に就けるよう最善を尽くしたいと思う。