新年が明けた。2014年をリセットして、新たな気持ちでスタートできるのは、暦をつくった人間の知恵であろう。
初日の出を拝もうとは思わないが、朝日にある種の畏敬の念を持つのは、太古からの記憶であろう。
「バンクーバーの朝日」。映画を見るより先に原作を読んだ。西洋社会からの差別、祖国の愚かな戦争に翻弄されるカナダへの日本人移民たちとその子孫が、野球によって、ある種の救済を得られる、あるいは、野球をしているときだけは、西洋人も日本人もないという話でもある。
不合理な差別や迫害、戦争が生活にまとわりつかない現代日本の生活。不満を挙げればキリがないが、フツーの生活がいかにありがたいことかを感じさせる一冊でもあった。
それに感謝しつつ、2015年も、肩の力を抜いてがんばることにする。