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塾長きまぐれ日記

職業倫理

 最近、教員が自分の子どもの入学式に出席するために、担任する子どもの入学式を欠席したという出来事があった。教育委員会は指導するとし、それに対して、自分の子どもの入学式に出席して何が悪いのだという反論がネットをにぎわせた。
 同じような立場にあったら、私は迷わず仕事を優先するだろう。実際、4月に娘の入学式があったが、私は欠席した。
 なぜだろうかと自問する。
 一つには、日本人の伝統的思考として、自分のことより他人のことを思いやることが美徳とされていることが影響しているのは否めない。それは、東日本大震災の被災者の方々が実行され、外国人に深い感銘を与えたらしい。
 もう一つは、教員という仕事の根本から出てくるものだと思われる。モノではなく、人間、しかも発展途上の子どもたちと接する仕事だから、よほどのことがない限り、仕事を優先すべきと考える。実の子どもの入学式は、私の場合、よほどのことに入らない。
 自分の子どもの入学式に出席して何が悪いのだという意見は、韓国で起きたフェリー事故のような場合でも、船長が自分の命を優先して何が悪いのだという意見につながっていかないのか。
 少なくとも、教員採用試験の面接では、自分の子どもの入学式を優先すると答えた人は、不合格になる可能性が高いと思う。それが、おじさんの感覚である。