夕方、家に帰ると、「高級」ワインとケーキがあった。この春就職したばかり娘が、初任給で買ってくれたらしい。
新人なのに、毎朝7時に出かけ、夜9時ごろ帰ってくる。日本の職場は、まことにブラックである。
5時ピッタリに退勤し、1秒たりともタダ働きをしないというドイツ人とは大違いである。
1年目から過労死ラインを超えるのではないかと心配だが、食事を気をつけたり、家事を免除したりして支えるしかあるまい。
自分の初任給はどうだったか、と言えば、留年し、新卒で就職もしなかったので、存在しなかった、と言ってよい。時間を戻せるなら、初任給で、今はな亡き父には焼酎の1本くらい贈ればよかったと思う。そういえばもうすぐ母の日である。
「高級」ワインといつも飲む安いワインと味だけで見分けられるか、実験もした。
安い方を選んでしまい、「高級」は似合わないことも実証された。
初任給は楽しい時間を運んでくれた。