もうすぐ大学3年生になる人がいて、公務員試験で課される教養試験の準備を始めようとする。
数学と理科がとにかく苦手だ。その原因を探るために、小学5年生、6年生、中学1年生…とたどっていく。そのうち、わからなくなった原因を突き止め、つぶやく。
「なんだ、過去の自分はこんなこともわからなかったのか」。
一年が経ち、就職のためのエントリーシートを書こうとする。
興味は低かったが、授業にはまじめに出席した。
サークルは、スノボやテニスのお遊びサークルだった。
シャイなので、人付き合いはそこそこにとどめた。
親が裕福でだったので、バイトはしなかった。
優しくて、まじめだと、周りの人からは言われる。
さて、何をどうアピールしようか…。
大学4年生になり、どこの役所でも、教養試験は突破するけど、面接で落ちまくる。
優しくて、まじめなだけでは、ダメなのか?
就職浪人して、来年もう一度公務員試験を受けろ、と親は言う。
公務員受験の塾の講師は、民間企業で経験を積んで、数年後再受験した方がいいと言う。
「教養試験が苦手だという過去は努力で変えられる。でも、浪人しても面接試験のプラス材料は増えない」。
シャイな性格を克服するために、あえて苦手な営業職を選んだ。
逃げ出したくなるような日々が続いたが、営業成績が抜群の先輩のマネをしていたら、ある日初めて売れた。それからバンバン売れ出した。
3年後、全体1位の成績で、第一志望の役所に転職できた。