障害を持った人を全従業員の一定割合以上雇用するという法定雇用率は今年4月、民間企業は2.0%から2.2%に、国・地方公共団体は2.3%から2.5%に引き上げられた。これに伴い、栃木県内の市町でも、障害を持った人を別枠で採用するところが多かった。
その法定雇用率を国でも地方でも、役所自ら守っていなかったことが問題になっている。これまでの基準を守られていない中で、さらに引き上げたことになる。理想と現実が乖離し過ぎた印象を受ける。
障害をもった人を雇用するというのは、その人が安全に、快適に働ける環境があるということが前提にある。スロープ、エレベーター、手すりなど、雇用しようとする人の障害に合わせて、細かく準備しておく必要がある。
今年、ある方が自宅から通える自治体を受験しようとしたが、下見に行って、設備が整っていないので断念したという。
仕事内容と障害の程度のマッチング、バリアフリー化など、もう一度総合的に見直してみる時期に来ているのかもしれない。