学生時代、同じボランティアサークルに所属していた男性が、NHKのテレビ番組「ブレイブ 勇敢なる者 えん罪弁護士」に取り上げられていた。今村核。当時は仲間から「核さん」と呼ばれていた。
30年以上会っていないうちに、頬はたるみ、腹も出ていたが、考え方や物腰は学生時代とあまりにも変わらなかったので、懐かしくて、思わず笑ってしまった。
金儲けに執着せず、とことんやる。偏屈だが、妙にかわいいところもある。完璧に無罪を立証したのに有罪判決を下した裁判官に思わず「ばかな人だな」とつぶやく場面では爆笑してしまった。
えん罪を勝ち取ることが、弁護士の個人的な犠牲の上に成り立っているのは問題だが、核さんは今後も断らずにやり続けるだろう。
迷いや不安はあったが、前に進もうとするエネルギーにも満ちていた当時を思い返し、私も私の道をもう少し歩む。