大学を卒業して、最初に就職した会社がいわゆるブラック企業で、公務員を目指したものの、面接で不合格になったA君から、最近、頻繁に相談を受ける。
大卒者の3割は、入社後3年以内に離職するらしいので、珍しいことでもない。
A君は現在、公務員の臨時職員をしているが、非正規の公務員は全国で70万人いるそうで、これまた珍しいことではない。
このまま公務員を受け続けてもリスクが大きすぎるので、一度、民間企業で働くことを勧めている。
無限の可能性の中から一つを選択するわけだが、正解はやってみないとわからない。
現代日本は、若者が夢を見るのが難しい社会である。一方、贅沢を言わなければ食うのに困らない豊かな社会でもある。
ブラックかもしれない、倒産するかもしれない、だから、公務員という若者が多いような気がする。
わからないでもないが、公務員がダメだったら、もっと気楽にぶつかっていけばいいのではないか。
そんな気持ちで、A君にメールした。
「UPAを始めた当初、収入が少なくて、夜中、運送会社でアルバイトをしたことがあります。
働き口は無限にありますから、ブラックだったらやめればいいし、倒産したら転職すればいいんです。
運送会社にいたとき、「あんた、ぬるい仕事してるな」と言われたことがありました。
その人は、朝は市場で、昼間は建設会社で、夜は運送会社で働いていました。超人です。
まあ、そんな働き方は若いうちしかできないかもしれませんし、健康面でも心配ですが、自分の夢のため、ある いは、家族のためだったら、そのくらいやれます。
戦前10人くらいの子どもがいる家庭ではそうだったでしょうし、戦後、焼け野原から復興する途上もそうだった のだろうと思います。
日本が豊かになったのは、ここ40年くらいのことで、その前はみんなビンボーでした。
一生懸命生きていれば、いいこともあります。
がんばってください」。
A君に幸運が届きますように。